極甘悪魔な御曹司の溺愛は揺るがない【財閥御曹司シリーズ伊達家編】
 しかし、無性に喉が渇いていたのか、二杯目もすぐに飲み干してしまった。
 グラスではなく、もうビールジョッキで飲みたくなる。
 酔って彼のことなんか全部忘れたい。
「すみません。同じものをお願いします」
 バーテンダーに三杯目を頼んだら、また隣の人に話しかけられた。
「お酒強いのか?」
「いいえ、全然。でも、酔いたい気分なんです」
 少し顔が熱くなってきて髪をかき上げながら答えたら、隣の男性が興味深そうに理由を聞いてきた。
「どうして?」
「自分の誕生日に彼氏に振られたお祝いです」
 にっこり笑って答えながら男性に目を向けると、思わず見とれてしまうような美形だった。
 少しウェーブがかった髪に、切れ長の二重の目。端正な顔立ちをしていて、まるで王子さまのような気品がある。それに、椅子に座っていても、長身で足が長いのがひと目でわかった。
 身につけているスーツも腕時計もなんだか高級そう。
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