極甘悪魔な御曹司の溺愛は揺るがない【財閥御曹司シリーズ伊達家編】
「……その顔、反則だ」
 熱を帯びたその瞳。あまりにも魅力的で、心臓がトクンと跳ねる。
 彼の目に映っているのは――私。
 颯人さんの瞳に捕らわれた瞬間、彼の唇が私の唇に重なった。
 ピタッと時が止まったような感じがする。
「んん……!」
 なにが起こったのかすぐに理解できなかった。
 彼が私の頭を掴み、下唇を甘噛みする。
 柔らかくて温かいその唇。
 魔法をかけられたかのように身体がふわふわしてきて……。
 頭の中が蕩けそうな感覚に襲われ、持っていたフォークを床に落とすと、なにか支えが欲しくて彼の背中に腕を回した。
 私の髪をまさぐりながら、彼はキスを深める。
 クチュッと部屋に響く水音がなんともいやらしく聞こえた。
 でも、どこか夢見心地で恥ずかしいとは思わない。
 颯人さんは私を抱き上げて部屋を移動し、大きなベッドに運んだ。
 薄暗いその部屋からは綺麗な月が見える。
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