極甘悪魔な御曹司の溺愛は揺るがない【財閥御曹司シリーズ伊達家編】
「……翔平くん、その女性は誰? ドイツに行くんじゃなかったの?」
 翔平くんは私を見て少し驚いた顔をするが、すぐに冷たい視線を向けてきた。
「俺の恋人だよ。ドイツ? わけがわからないことを言わないでくれるかな」
 恋人?
 そのワードを聞いて、目の前が真っ暗になった。
 だったら私はなに?
 ショックを受けながら翔平くんに聞こうとしたら、隣にいた女性が私をじっと見据えて彼に尋ねた。
「ねえ、その女の人誰?」
「大学の後輩なんだけど、ずっと俺につきまとってて迷惑してるんだ。――君、あまりしつこいと警察を呼ぶよ」
 蔑むように言われ、思わず怯んだ。
 悪い夢でも見ているのだろうか。それともなにかの冗談?
 彼には恋人がいた?
 私は……彼にとって邪魔者でしかなかったの?
 考えてみたら、大学の時から付き合っているのに、彼の家には行ったことがない。
 いつもどこかのカフェで待ち合わせてホテルに行くだけ。
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