極甘悪魔な御曹司の溺愛は揺るがない【財閥御曹司シリーズ伊達家編】
 最近は会うこともなくなって、LINEのやり取りしかしていなかった。
 私はずっと遊ばれていた……?
「う……そ。翔平……くん」
 呆然とする私に、彼は冷ややかな声で告げる。
「名前で呼ぶのやめてくれないか? 勝手に恋人だって妄想されるのも迷惑なんだよ。金輪際俺に近づくな」
 彼の容赦ない言葉が、私の胸にグサッと突き刺さる。
 ふたりは私の前から去っていったが、私はしばらく動けなかった。
 頭の中がぐちゃぐちゃ。
 私がずっと恋人だと思っていた彼は恋人じゃなかった? 私が勝手に翔平くんの恋人だって妄想していただけ?
 私……結婚を焦って現実が見えてなかったのかな。今日のレストランだって予約したのは私だ。
 LINEで誕生日の話をしたら、【じゃあお祝いしよう】って返事がきて、私がはしゃいでただけ。
 ドタキャンも何度もされているし、私は彼にいいように遊ばれていたのだろう。
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