誓い~お前は俺が守る~
「━━━━待ってる間は、日影にいろよー」

鈴蘭が木陰で涼んでいると、隣のクラスの女子に声をかけられた。

「宇佐神さん」

「え?」

「あ、ごめんね!突然、声かけて!」

「ううん!何?」

「わ、私ね…B組の郷部(さとべ)って言うんだけど…」

「知ってるよ!郷部さん!二年生の時、同じクラスだったもんね!」

「知ってたんだ。こんなカゲ薄いのに……」

「そんなこと……」

「あ!それでね!その…/////」

「ん?」

「私……神馬のファン…で…/////」

「え?」

「だから、宇佐神さんの友達としてメンバーに会いたいなって……!」

「いいよ!」

「え?ほんと!?」

「もちろん!
今日も、たまり場に行くと思うから一緒に行こ?」

「うん!ありがとう!」
微笑む鈴蘭に、郷部も微笑んだ。


「宇佐神さんは、影のリーダーに会ったことあるんだよね?」
授業が終わり、更衣室に向かう途中も郷部が鈴蘭に話しかけてきた。

「え?あ…会ったことは…ない…かな…」

「そうなの!?」
目を真ん丸にして言った、郷部。

「うん。理由は、聞かないでね……」

「私、会ってみたいんだよね~」

「会わない方がいいよ」

「え?」

「彼は、本当に恐ろしい人だから。
あと、天くん達の前で彼の話はしないでね……」


それから制服に着替え、教室に戻った鈴蘭。

「すず!」
天馬が、駆け寄ってくる。

「あ!天くん来ないで!!」
少し後退り言った、鈴蘭。

「は?なんで!!?」

「しばらく、私に近づいちゃダメ!」

「はぁ!?
ふざけんな!!?」

「そんな怒んないで?」

「怒るに決まってんじゃん!
なんで、拒否んの!?」

「だって…/////」
「なんだよ」

「汗臭いんだもん……私…」

「━━━━━は?」

「体育、スッゴく暑くて……
凄い汗かいたの…
天くんに“汗臭い”って思われたくないんだもん……/////」

「はぁ…」
ゆっくり近づき、鈴蘭を抱き締める天馬。

「ちょっ…離して!私、臭いし!」
「やだ」

「天くん!」

「俺も汗くせぇし、いいじゃん!
…………つか、そんな汗臭くねぇよ?」

「そ、そう?」
「うん。
だから、このまま抱き締めさせて」
「うん…」

鈴蘭も天馬の背中に腕を回すと、浬人とスグルが言う。

「そこ、熱いよ!」
「ただでさえ、あちぃんだからさ!」

「いいじゃん!」
そんな二人に、天馬はどや顔をするのだった。
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