誓い~お前は俺が守る~
教室の真ん中で、抱き締め合っている天馬と鈴蘭。

「━━━━て、天くん。
は、恥ずかしいよ……もうそろそろ、離れよ/////」
「もうちょい!
………てか…すずって、柔らけぇな……」

「え?ふ、太ったってこと!?」
(確かに、最近ケーキばっか食べてるよな…私…)

「チゲーよ!
つか、逆に!もっと肉つけろよ!」

「そう?」

「うん。
あー、キスしてぇ…」

「しないよ」
「わかってる」

「………」
「……なぁ…一瞬だけ、チュッてしていい?」

「ダメ」
「だよな…」

「フフ…でも、一瞬だけのキスって何?(笑)」
「わかんねぇけど、チュッてやつ」

「ダメ(笑)」

「……………はぁ…すず、めっちゃ好き…」

「………」
「………」

「………私も好き…
………………じゃなくて!恥ずかしいの!離して!/////」

はっと我に返り、慌てて離れる鈴蘭。
天馬は、笑っていた。


授業が終わり、天馬達は揃って教室を出る。

「すずバイバイー!」
「うん!久実ちゃん、明日ね!」

久実と手を振り合い、天馬に手を引かれて鈴蘭も教室を出る。

「宇佐神さん!」
そこに、郷部が駆け寄ってくる。

「あ、郷部さん!
天くん、郷部さんも一緒にたまり場にいい?」

「ん」
「浬人くん、スグルくんもいい?」

「別に」
「嫌」
どっちでもいいという風な浬人と、拒否をするスグル。

「スグルくん、お願い!」
「スグル」

「………はぁ…わかった、わかりました!どうぞ!」
天馬に鋭く見られ、スグルはため息をついて頷いた。

「ありがとう!
郷部さん、行こ?」
微笑み、郷部に手招きをした。

電車に乗り込む。
乗客が多く、天馬達は端の方に寄った。

「苦しいね…」
天馬にしがみつく鈴蘭。

「大丈夫か?」
「う、うん…
…………あ、ねぇ!
私、郷部さんと隣の車両に行ってていい?」

「「「は?ダメだろ!?」」」
鈴蘭の言葉に、天馬達がハモる。

「え?隣の車両、女性専用車両でしょ?
私達が隣に行くと、天くん達少しは楽でしょ?」

「なんでそうなんの?」
「僕達、邪魔なんて言ってないじゃん」
「すずが気を遣う必要ねぇじゃんか!」

「私も一人は寂しいけど、郷部さんいるからいいかなって!」
そう言って、鈴蘭は郷部と共に隣に行ってしまった。
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