誓い~お前は俺が守る~
鈴蘭がいなくなり、天馬達の雰囲気が悪くなる。
天馬達は基本的に、鈴蘭がいる時といない時で態度が違う。

「なんでこうなんの?」
「知らないよ」
「つか!なんで、郷部を受け入れたの?」

「すずが連れていきたいっつったから」
スグルの言葉に、天馬が答える。

「やっぱそれかよ!」

「僕的には、どうでもいいけど」
浬人は、首にかけたスマホを扱いだした。

「どうする?
浬人狙いだったら」
「は?キモっ!
女、嫌い!!」
スグルが顔を覗き込むように言い、怪訝そうに眉をひそめた。

「すずも女じゃん」
「は?すずは特別なの!」

「あーもー、おめぇ等!うっせぇんだよ!!?」
言い合う浬人とスグルに、一喝する天馬。

「「………」」
不機嫌な天馬。
今にも暴れそうな雰囲気に、浬人とスグルはピタッとおとなしくなる。


そして一方の、鈴蘭と郷部。

「郷部さん、神馬のファンってことは、誰かに憧れてるとかなの?」

「あ、うん////
御園くんだよ/////」

「へぇー、浬人くんか!」

「眼鏡の下、凄く綺麗で……」

「え!?眼鏡取ったところ、見たことあるの!?」

「う、うん。
去年かな?」

「そうなんだ!
浬人くん、めったに眼鏡外さないのにな………
でも、確かに綺麗だもんね!
睫毛も長くて、まさに美形男子って感じ!」

「確かに!」


駅に着き、電車を降りる。

タタタッと天馬が駆けてきて、鈴蘭は抱き締められた。
「はぁ…ダメだ…俺、すずがいないとマジでどうにかなる………」
「もう(笑)」

そして指を絡めて手を繋ぐ。

「ん?あれ?たまり場、行かないの?」

「ん?あー、なんか夏馬さんが借り手がつくかもだから、しばらく使えないって言われたんだ。
だから、俺達が昔たまり場にしてた公園に行くから」

「そっか!」

公園に着くと、陶史達が待っていた。
「あ!来た~」

「すずちゃ~ん!」
「ん?あれ?
知らない子がいる」

「郷部さんだよ!
神馬のファンなんだって!
フフ…だから、今日は一緒に来たの」

「ファンだって!」
「俺達に、ファンとかいんの?」

「誰のファンなの?」

仲間達が、郷部に食いついてくる。

「……/////」
「あ、ダメだよ!内緒!」
顔を赤くする郷部の横で、鈴蘭が制止する。

「「「えーーー!」」」
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