誓い~お前は俺が守る~
そして、フッ…と糸が切れたように、倒れた。

「「「すず!!」」」
「「「すずちゃん!!」」」

天馬達が、駆け寄る。
間一髪で天馬が鈴蘭を抱き留めた。

「すず!すず!」
頬を叩き、起こそうとする天馬。

「んん…」
鈴蘭の声が漏れる。

天馬が頬に触れ、ゆっくり撫でた。

「また、呼ばせてしまった……
ごめん、ごめんな…すず……」
天馬の苦しそうな声。

「なんですずが……」
「あいつのせいだろ!」
浬人も苦しそうに呟き、スグルが郷部を睨み付けた。

「え……私は……」

すくっと立ち上がる、スグル。
そして、郷部を見据えた。

「クソアマ、消えろよ」

「ご、ごめんなさい!!」

「は?
謝って済むと思ってんの!!?」

「許し━━━━━ぁがっ!!?」
スグルに殴られ、吹っ飛ばされた郷部。

「スグルさん!!」
「いくら何でもダメっすよ!!」
「相手、女………」

「は?
こいつに、生きる価値あんの?」
そう言って、郷部を尚も殴りつけた。

相手が女だからとか関係ない。
スグルにとって天馬、鈴蘭、浬人、夏馬以外は“いらない”人間。
例えそれが、神馬の仲間だったとしても。

スグルは、こうゆう男だ。

「スグル!」
「やめなよ」

「………わかった」
そして天馬と浬人が止めないと、止まらないのだ。

「浬人、夏馬さんに連絡してくれ」
鈴蘭を自身の膝に寝かせ、ゆっくり頭を撫でながら言う。

「うん。
━━━━━あ、もしもし?浬人です。
実はすずが━━━━━」

夏馬に事情を説明する。
「━━━━━はい、はい、すみません。
わかりました。
…………もうすぐ仕事が終わるから、すぐに迎えに来るって」
浬人がスマホを操作しながら言い、天馬が頷く。

そして数十分後、夏馬の車が現れた。
乱暴に止まり、運転席がガン!!と開いて夏馬が出てきた。

「すずは!!?」

「ここっす」

横たわる鈴蘭を見て、切なく顔を歪めた夏馬。

鈴蘭の横に跪き、頬を撫でる。
「で?“あいつが”殺った輩は、どこだ?」

「こっちです。
女はスグルが……」
浬人が言う。

「そうか。
派手に殺ったな。
あいつの強さはどこから出てるんだろうな………」
ぐったりと倒れている男達を見て、ある意味感心したように言った。

「すんません、夏馬さん!」
天馬が、謝罪する。

「すみません!」
「「「すんません!」」」
浬人やスグル達も一緒に頭を下げた。
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