誓い~お前は俺が守る~
その後、授業中の教室に天馬が一人で戻ってきた。

「「天!!?」」
浬人とスグルが、身を乗り出すように声をかけてきた。

「すずは!?」
「何があったんだよ!?」

「“あいつ”が、顔を出した」

「「は?」」

「でも、すぐにすずに戻ったから大丈夫だ」

「で?今、すずは?」

「保健室で寝かせてる。
俺、すずと帰るから」

「わかった」
「ん。
すず、大丈夫だよな?」
心配そうに見る浬人とスグルに、天馬は微笑み頷いた。

そして自分と鈴蘭の鞄を持ち、教室を出た。


保健室に行くと、鈴蘭はベッドに腰掛けていた。

「寝てろっつったじゃん!」
「もう大丈夫だもん」

「はぁ…
とにかく、帰るぞ!」
「え?やだ!」

「は?」
「天くんといたいから、学校にいる!」

「俺も帰るから」

「…………へ?」

「“俺と”帰るの!!」

「天くん、体調悪いの?」

「んにゃ!
元気!」

「じゃあ、ダメでしょ?」

「じゃあ、すずは“一人で”帰れるの?」

「え?やだ!
天くんと学校にいる」

「だろ?
だから、帰ろ?」

「う、うん…
ごめんね、天くん」
「ううん。
俺ん家でゆっくりしようぜ。
夏馬さんに、俺ん家に迎えに来てもらえばいいだろ?」


『━━━━━ん。わかった。
すずを、よろしく』
天馬の自宅マンションに向かいながら、天馬が夏馬に連絡する。

「はい」

『…………あ!言っておく!』

「はい?」

『サカんなよ?』

「は?」

『は?って、とぼけるな!
すずは、ほんと可愛いからなぁー
お前のヤりそうなこと、手に取るようにわかる』

「さすがに“今日は”ヤりませんよ!」


そしてマンションに着き、天馬の部屋に入る。
「久しぶりだ!天くんの部屋!」
「フッ…そうだな!
適当に座れよ!
飲み物、取ってくるから」

「うん、ありがとう!」


ベッドの下のカーペットに並んで座っている、天馬と鈴蘭。

「すず、もうちょいこっち!
ひっつこ?」
「うん/////」
天馬に身体を預ける。

「……/////」
「ん?天くん、ドキドキしてる?」

「は?/////」
「なんか、心臓の音早いよ?」

「そ、そう?////」

“サカんなよ?”

天馬の頭の中に、夏馬の言葉が響いている。

(ヤベ…////こんな、密着してたら……)

「ん?天くん?」

(……………サカりてぇー/////)
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