誓い~お前は俺が守る~
「すず…」
「すず…」
「………」

天馬達が、鈴蘭を見る。

いつの間にか黒すずから鈴蘭に戻っていて、涙を流し天馬達を見つめていた。

「すず…俺……」

ゆっくり、鈴蘭に近づく天馬。

しかし鈴蘭は、後ずさった。

「来ないで……」

「すず…」

「………し…」

「すず…」

「人殺し!!!
パパを返して!!!!」

そして鈴蘭は、外に駆けていった。

「すず!!」
夏馬が追いかけようとして、天馬達に言った。

「もう……すずに関わるな」


取り残された天馬達。
項垂れ、崩れるように座り込んだ天馬。

浬人とスグルも、項垂れていた。



鈴蘭は、その日を境に学校を休むようになった━━━━━

そして天馬達三人も、荒れるようになった。
威圧感に包まれ、誰も寄せ付けない。

鈴馬に出会う前の、天馬達そのものだった。


『━━━━ほんと、どうしたの?
なんで、別れたの?
あんなにラブラブだったのに』
久実が、鈴蘭に電話をしている。

「今は言えないの…ごめんね……」

『天馬くん達、荒れて大変なの。
すずにしか止められないでしょ?
学校来てよ!
もしかして、このままやめたりしないよね?』

「私には…も…関係ない…から……」

『…………は?何言ってんの?』

「久実ちゃん…」

『いいの?天馬くんが他の子の彼氏になっても』

「え?」

『天馬くんとすずが別れたこと、みんなに知れ渡ってるから、天馬くん狙われてんだよ?
いいの?』

「それは……」

『何があったか知らないけど、すずは天馬くんのこと大好きだったじゃん!!
みんなの前で抱き合ったりするくらい、天馬くんがクラスの女子と話すだけでヤキモチ妬いて不機嫌になるくらいに!』

「でも!!」

『でも、何?』

「パパは、天くん達に………」

『お父さん?
すずの亡くなったお父さん?
…………がどうしたの?
でも、お父さんはもういないんだよ!?
今、すずの傍にいるのは天馬くんでしょ?』

「………」

『すず。
“誰が”いつもすずを守ってくれてた?』

「え?」

『お父さん?お兄さん?
違うよね?』

「久実ちゃ━━━━━」


『すずはお兄さんばっか頼ってたけど、いつも傍にいて守ってくれてたのは、天馬くんでしょ!?』
< 32 / 39 >

この作品をシェア

pagetop