誓い~お前は俺が守る~
「━━━━━すず、黒すず…いや、親父を呼べ!!」

天馬が真っ直ぐ鈴蘭を見て、言い放った。

「え……」

「で、俺達を殺れ!!」

「え?何…言って、る……の……?」

「僕達、すずだったらいいよ!」

「は?」

「俺達が死んだとこですずの傷は癒えないけど、俺達は仇だろ?
もしかしたら、それでもう黒すずは出てこなくなるかもだろ?」

「え?え?」

「だから、殺れ!!すず!!」

「やだ、嫌だよ!!
何言ってるの!!!?」

「俺達は、すずを守りたいと思ってた。
もちろん、俺はすずのこと誰よりも大好きだからってのもあるが、どこかでおっさんの償いでもあった!」

「もちろん、すずや夏馬さんがおっさんの子どもだったなんて考えもしなかったけど、すずを守ることで償えたらって思ってた」

「ごめんな、すず。
俺達のせいで、大事な親父さんを殺しちまって!」


「「「だから、殺れ!!すず!!」」」

「嫌!」

「すず!!」

「嫌だ!」

「すず!!」

「い!や!」

「だったらすずは、俺達を……俺を受け入れられんの!!?」

「…………え?」

「すずは、俺をまた彼氏にしてくれんの!!?」

「天くん…」

「俺は、すずじゃねぇとダメなんだ!
すずが傍にいないなら、もう…生きる意味がない!」

「………」

「だからすず、殺ってくれ!!」

「すず!!」
「すず!!」
「すず!!」

天馬達が、鈴蘭に必死に呼びかける。
頭に鋭い痛みを感じる、鈴蘭。

鈴蘭は頭を抱えて、うずくまった。

「「「すず!!?」」」

天馬達が、鈴蘭に駆け寄る。

鈴蘭の頭に、鈴馬の声が響いた。

『すず、すず……
すずは俺が守るよ………!』

「嫌!!
…………はぁはぁ…」
肩で息をする、鈴蘭。
ゆっくり、顔を上げた。

「「「す…ず……!!?」」」

目の前にいるのは“鈴馬”だった。


バコッと音がして、天馬が吹っ飛んだ。
鈴蘭が、おもいきり天馬を蹴ったからだ。

その後も、浬人とスグルに襲いかかる。

でも天馬達は、一切……反撃をしなかった。
陶史達が、止めに入ろうとする。

「来んな!!」

天馬の鋭い声に、陶史達もただ見ることしか出来ずにいた。
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