誓い~お前は俺が守る~
「すずちゃん!やめてくれ!!」
「すずちゃん!やめろよ!!」
「頼む!!もう!!」

あの天馬達が、ぼろぼろになぶられていく。

そして鈴蘭は…………

泣いていた。
目を真っ赤にして、涙をダラダラと流していた。

トドメを前に、大きく拳を振り上げた鈴蘭。

「━━━━━!!!!?」

天馬、浬人、スグルは、笑っていた。

「すず、ごめんな。
大事な親父さんを、すずから奪っちまって……!」

「ごめんね、すず。
幸せになりなよ………!」

「すず、生きる価値のない俺と、今まで仲良くしてくれてありがとな……!」

「………」

「すず」

「………」

「すず」

「………」

「すず」


鈴蘭は、拳を振り上げたまま固まっていた。
そして身体が、震えていた。

「「「すず!!殺れ!!!」」」

微笑んだまま、ゆっくり目を瞑る天馬、浬人、スグル。

━━━━━━━
━━━━━━━
━━━━━━バコッ━━!!!?

バサッ………!!!!


「え………」
「なん…で…?」
「嘘……だろ…?」

「「「━━━━━すず!!!?」」」

そこに倒れていたのは、鈴蘭だった。
鈴蘭は最後、自身を殴りつけたのだ。

「………っ…たい…!!!」

鈴蘭を起こし、切れた頬に触れる天馬。
「なんで!!?」
「すず!!何やってんの!!?」
「お前、なんで…!?」

「もう…いいの……」

「は?」

「もう…十分だよ……!」

「すず?」

「パパもきっと、天くん達を責めたりしない……!」

「すず…」

「私にはわかる。
だって私、パパのこと大好きだったから!
……………それに…思い出したの。
パパ、息子にしたい子どもがいるって言ってたことがあるの。
とっても頭が良くて、仲間思い。
反抗ばかりだけど、本当は優しくて、寂しがり屋の三人の子どもって」

「え?」
「それって……」
「もしかして……」

「きっと、天くん達のことじゃないかな?それ」

「「「………」」」

「パパは、私の自慢のパパ。
優しくて、ちょっとお節介な世話好き。
私とにぃにのことほったらかしで、夜回り隊してたから、ヤキモチ妬くこともあったけど……
私とにぃにのことも全身全霊で愛してくれた、愛溢れる素敵な人。
ママが亡くなった時、パパが言ってくれたの。
“すずは俺が守るよ”って!
私、その言葉をいつも心に留めてた。
パパが亡くなってからも。
だからきっと、それで私はパパを自分の中に造ったんだと思う」
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