誓い~お前は俺が守る~
すずは俺が守る
「……………でも、実際に守ってくれてたのは……
天くん達なんだよね?
私、当たり前に守られてて気づいてなかった。
天くんは特に、こんな私の傍にいていつも守ってくれた!
ごめんね!
こんな大切なことに、ずっと気づかなかった……!」

天馬達が、ゆっくり頭を横に振る。

「天くん、浬人くん、スグルくん」

「「「ん?」」」

「受け入れるよ!
私、これからも三人と、ここにいるみんなとずーっと仲間でいたい!!」

「「「すず……」」」
「「「すずちゃん…!」」」

「天くん!!」

「ん?」

ゆっくり天馬に向き直る、鈴蘭。

「もう一度、私と付き合ってください!!」

「………おぅ!
俺の方こそ、よろしくな!!」

鈴蘭が天馬に抱きつき、天馬は力強く抱き締めた。


その後、天馬と鈴蘭は夏馬に会いに行った。

「━━━━━そうか。
すずは、それでいいのか?」
天馬達の罪を受け入れ、もう一度交際することにしたと話した天馬と鈴蘭。

夏馬は、呆れたように息を吐いて鈴蘭を見た。

「うん!もう、決めたの!」

鈴蘭の真っ直ぐな視線に、夏馬は再度ため息をついた。

「…………わかった」

「にぃに?」

「すずが“幸せになれるなら”認めてやるよ」

「夏馬さん!」
「にぃに!」

「「ありがとう!」」

「ただ、すず」

「ん?」

「もう……“父さんを頼るな”」

「え?」

「“この意味”わかるよな?」

「………うん!」

「浦川が言ってただろ?
お前は、人格をコントロールしてるって。
………ってことは、出来るよな?
父さんを出さずに、生活すること」

「うん」

「父さんが亡くなったのが、あまりにも突然だったからな。
お前はそれを受け入れられなくて、父さんを造りだした。
でも、天を受け入れられたっつうことは、父さんの死も受け入れられたってことだろ?」

「うん、大丈夫!」

微笑む鈴蘭に、夏馬も微笑み天馬を見据えた。
「わかった。
………………あと、天」

「はい」

「わかってると思うが……」

「“もう”傷つけません!
すずは、俺が守ります!!
全身全霊で!!」

「ん」

天馬の力強い視線。
夏馬が大きく、頷いた。
< 37 / 39 >

この作品をシェア

pagetop