誓い~お前は俺が守る~
すると、ガッシャーーーン!!!と扉が突き破られ、軽トラが入ってきた。

「な、だ、誰だよ!!?」
金城が後退り、声を荒らげた。

「あ、ごめーん!
ハンドルきり損ねたー(笑)」
運転席から、咥え煙草の男が出てきた。

「お、おっさん!!何やって━━━━━」
「は?
それ、そっくりそのまま返すわ。
ガキ!!何やってんだよ!!
すずちゃんを傷つけんじゃねぇよ。
地獄に落とすぞ、こら」

「は?」

「神馬の影のリーダーに会いたいんだって?
だったら、俺が相手してやる」

「は?」

「どうする?
ただ、言っとく。
俺は今、すこぶる機嫌わりぃから」

「え?」

「ちょうどパチンコで、当たったとこだったんだから!
そしたら夏馬さんが“巻きで来い!”って。
お前等のせいで、パチンコ出来ねぇじゃん。
かといって、断るなんて出来ねぇしぃー
断ったら、夏馬さんに何されるか……
あぁ、恐ろしいー
…………で!…どうする?ガキ」
男の、凄まじい雰囲気。

金城はビクッと震えて、後ずさった。
「す、すみません…」

「あ?聞こえねぇよ」

「すみません!」

「俺に謝っても、解決しねぇよ?」

「え?」

「夏馬さんに許しを乞え」

「は、はい」

すると、夏馬が現れた。
「あ!夏馬さん!」

貴哉(たかや)
ごめんね。パチンコ中に」

「へ?知ってたんすか?」

「え?だって、周りがうるさかったから」

「あー、すんません!(笑)」

「ううん、いいんだよ?
俺が、貴哉の邪魔をしたんだから。
……………で?影のリーダーに会ってどうする?
貴様は、死にたいのか?」
夏馬が、金城に向き直る。

「え?」

「言っとくが、あいつに勝てる人間はいない。
あいつは、悪魔みたいな奴だからな。
呼ばない方がいい」

「………」

「まぁ、いい。
貴哉、後は頼むね。
俺はすずと帰る」

「はい、了解っす!」

「こいつに修理代を払わせろ。
確かこいつ、金城ホールディングスの御曹司だったはず」

「え……
ちょっと待ってください!!
親父には言わないでください!」

「「は?無理だろ」」
綺麗に夏馬と貴哉の声がハモる。
そして、続けて夏馬が言った。

「すずを傷つけた代償を払え。地獄に落ちろ!」
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