ねえ、私と恋しませんか?
「まあ、そんなことがあったんですか!」

「酷いですね、山中さんはこんなに頑張っているのに……」

「お仕事お疲れ様です。山中さんはいつも頑張っていて、尊敬します」

レイカさんはいつだって俺のほしい言葉をくれる。「ああしろこうしろ」としか言わないサトミとは大違いだ。そんなレイカさんに俺は溺れるくらい好きになっていた。そしてーーー。

「レイカさん、今日はあなたを帰したくないって言ったらどうしますか?」

俺は緊張しながら訊ねる。レイカさんはフフッと可愛らしい笑みを浮かべた後、俺の腕に抱き付いてきた。豊満な胸が腕に押し付けられ、顔が赤く染まる。

「とっても嬉しいです。だって、私に恋してくれてるってことでしょ?」

「とっくに、恋していますよ」

バーを出た後、俺は事前に調べておいたホテルへレイカさんの肩を抱いて連れて行く。サトミとか歴代彼女と入ったことのあるホテルより、ずっといい値段のするところを張り切って予約してよかった。
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