先輩が卒業するまでに(短編)
親友の恋
2月に入り、もう先輩たちは高校にはいなかった。
卒業式まで休みの3年生
先輩たちがいないだけで
学校の中はこんなにも寂しく感じる。
私はあれから
先輩に一度だけメールを送った。
入試の日の朝に
“先輩、頑張ってください!”
って一言だけ。
“ありがとう。頑張ってくる!”
って先輩らしいシンプルなメールが返ってきて
私はそれを保護した。
―――
バレンタインが終わり
親友の恋が実った。
そう、由梨は川瀬先輩の彼女になったんだ。
3年の自転車置き場やロッカーは
人気がなく寂しそうだった。
『よかったね!由梨おめでとう!!』
休み時間、由梨の話で盛り上がる。
もうすぐ2年生になる私たち。
この教室で由梨と恋バナをしながら盛り上がれるのもあと少し。
私は
先輩たちの卒業が近づく中、由梨の恋が実って
自分のことのように嬉しかった。