先輩が卒業するまでに(短編)
「卒業生、入場。」
マイクから合図が流れると
入り口から3年の先輩たちが入ってきた。
その中からちゃんと、
江口先輩を見つけだす私。
先輩
これからはもう、こうして先輩を探しても見つけられないんだね。
いやだ
いやだ
「ミキ、今日が最後のチャンスだよ。いいの?」
由梨は川瀬先輩の姿を見つけ嬉しそうに笑ったあと、
私にそう言った。
「私も自信なかったけど、ミキが一緒に頑張ろうって言ってくれたから頑張れたんだよ!」
『由梨………』
私、このまま終わりたくない。