先輩が卒業するまでに(短編)
卒業式は着々と終わりへ。
途中から私も由梨も
自分が卒業するみたいに涙が止まらなくなって…
式が終わり、体育館の外に出ると
3年の先輩たちが
泣いたり笑ったりしながら
写真を撮ったり
抱き合ったりしていた。
向こうの方に
大勢の人に囲まれる江口先輩を見つける。
私が隣の由梨を見ると
「ほら、行っといで!」
由梨はガッツポーズをして背中を押してくれた。
2人、恋に落ちた時から
ずっと支えあってきた。
どちらかと言えば
私の方がいつも由梨の背中を押していたのにね。
私も由梨みたいにがんばらなきゃね。
私は
拳を握りしめて
たくさんの人に囲まれる
大好きな江口先輩の元へ近づいた。