先輩が卒業するまでに(短編)
『先輩………私、あの時からずっと…先輩のことが好きでした!』
思い切った告白だった。
今日が最後だと思うと伝えずにはいられなかった。
先輩、
私はずっと願ってた。
先輩が卒業するまでに
先輩の彼女になれたらって…
彼女に、なりたいって。
「もうボタンなくなっちゃったんだけど………ごめん。それでもいいかな?」
先輩は苦笑いしながら
泣きながら俯く私に近づいた。
『………?』
「ボタンの代わりに、これで許して。」
先輩は私の涙をそっと拾うと、
両手で私の顔を優しく挟んで
チュッて
軽く触れるほどのキスをした。
先輩の手は
寒いのにとても暖かった。