先輩が卒業するまでに(短編)
……………え??
私………
江口先輩と
キス…………したの?
ビックリして
まだ理解できていない私は
顔を両手で持たれたまま背の高い先輩の顔を見上げた。
『先輩………彼女いるんじゃ…?』
「え?俺?いないよ。」
『でも私…この前先輩が美人な先輩と帰ってるの見て……』
先輩は私の髪や耳に触れ、
優しく撫でながら微笑む。
「たぶん…それは、幼なじみだよ。俺、彼女はいないから。」
そうだったんだ…
よかった…
『先輩…私、先輩の彼女になっていいんですか?』
「なってくれよ。」
そして先輩は
今度は長く深い
身体の芯から温まるような
キスをしてくれた。