非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
異変の始まり
「もう一度説明してくれ」
湊斗の低い声が静まり返った室内に響く。
あれから少しして、緊迫した総務部に、湊斗と牧が駆け入ってきた。
湊斗は一毬の姿を見つけると、一瞬ためらった様子を見せたが、すぐに顔つきを元に戻すと矢島の所へ向かう。
数日ぶりに見た湊斗の顔は、やはり少し疲れているように見えた。
――どこで寝てるんだろ……。
ぼんやりと湊斗の様子を目で追っていると、再び勢いよく扉が開かれ、ひどく慌てた様子の倉田が駆け込んで来る。
倉田は脇目も振らずに、湊斗の隣に走り寄った。
「ウイルスって?!」
「遼、今それを確認してる」
湊斗は倉田を落ち着かせるように手を上げると、矢島に向き直った。
「つまり、発表会用の資料を印刷しようとクリックした途端、ウイルスが発動したと……」
「は、はい……。多分……」
厳しい顔つきの湊斗に覗き込まれ、矢島は今にも卒倒しそうなほど青くなった顔で声を出す。
湊斗の低い声が静まり返った室内に響く。
あれから少しして、緊迫した総務部に、湊斗と牧が駆け入ってきた。
湊斗は一毬の姿を見つけると、一瞬ためらった様子を見せたが、すぐに顔つきを元に戻すと矢島の所へ向かう。
数日ぶりに見た湊斗の顔は、やはり少し疲れているように見えた。
――どこで寝てるんだろ……。
ぼんやりと湊斗の様子を目で追っていると、再び勢いよく扉が開かれ、ひどく慌てた様子の倉田が駆け込んで来る。
倉田は脇目も振らずに、湊斗の隣に走り寄った。
「ウイルスって?!」
「遼、今それを確認してる」
湊斗は倉田を落ち着かせるように手を上げると、矢島に向き直った。
「つまり、発表会用の資料を印刷しようとクリックした途端、ウイルスが発動したと……」
「は、はい……。多分……」
厳しい顔つきの湊斗に覗き込まれ、矢島は今にも卒倒しそうなほど青くなった顔で声を出す。