非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
黙々と作業を進めていた一毬に、はたと手を止めた吉田が顔を寄せる。
「でもさぁ、正直なところ、社内に犯人がいるのかと思うとぞっとするよね」
吉田は身震いする振りをした。
そら恐ろしさを感じるのは、当然一毬も同じだ。
仮に悪意があって、プレス発表会の資料にウイルスを仕込んだ人物がいるのだとしたら、その人は今もこの騒動をどこかで見ているのだろう。
これから調査をし、その人物や動機が解明できれば良いが、それがわかる保証はどこにもなかった。
「何が目的なんでしょうか?」
一毬は伺うように小さく声を出す。
この攻撃はきっと会社に対してのものだろう。
でも……。
社長である湊斗に、その矛先が向いたらと想像しただけで、頭が真っ白になりそうだった。
「そりゃあ、プレス発表会をつぶすことでしょ」
吉田はあっけらかんと答える。
「でもさぁ、湊斗社長が原稿持ってるって言ってたし、あっちでも作業進めてるから。正直、問題なさそうだよね」
吉田がチラリと奥のデスクに目をやり、一毬もそっと振り返る。
「でもさぁ、正直なところ、社内に犯人がいるのかと思うとぞっとするよね」
吉田は身震いする振りをした。
そら恐ろしさを感じるのは、当然一毬も同じだ。
仮に悪意があって、プレス発表会の資料にウイルスを仕込んだ人物がいるのだとしたら、その人は今もこの騒動をどこかで見ているのだろう。
これから調査をし、その人物や動機が解明できれば良いが、それがわかる保証はどこにもなかった。
「何が目的なんでしょうか?」
一毬は伺うように小さく声を出す。
この攻撃はきっと会社に対してのものだろう。
でも……。
社長である湊斗に、その矛先が向いたらと想像しただけで、頭が真っ白になりそうだった。
「そりゃあ、プレス発表会をつぶすことでしょ」
吉田はあっけらかんと答える。
「でもさぁ、湊斗社長が原稿持ってるって言ってたし、あっちでも作業進めてるから。正直、問題なさそうだよね」
吉田がチラリと奥のデスクに目をやり、一毬もそっと振り返る。