非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
「うちの会社で“ひまり”って氏名につく人は、佐倉さんだけだからさ。心当たりある?」
反応を伺うように顔を覗き込まれ、一毬は慌ててはっと顔を上げた。
「あ、ありがとうございます……。このパソコン、持っていきますね」
ぺこりと頭を下げる一毬に、二人は厄介な物がなくなってほっとしたのか、安堵のため息をついている。
一毬は顔を上げるのと同時に踵を返すと、エレベーターに向かって走り出した。
湊斗が運転手に、このパソコンを一毬に届けるように頼んだのだろうか?
「なんだか、とても嫌な予感がする……」
一毬の身体はカタカタと小刻みに震え出していた。
とにかくパソコンが届いたことを、牧と倉田に知らせなくては。
エレベーターホールに着くと、一毬は震える手でスマートフォンを取り出した。
以前に聞いていた牧の番号をタップする。
しかし電話は呼び出し音が数回鳴って、留守番サービスにつながった。
「佐倉です。すぐ研究室に来てください」
一毬はそうメッセージを残すと、不安で押しつぶされそうな身体を奮い立たせ、研究室へと向かった。
反応を伺うように顔を覗き込まれ、一毬は慌ててはっと顔を上げた。
「あ、ありがとうございます……。このパソコン、持っていきますね」
ぺこりと頭を下げる一毬に、二人は厄介な物がなくなってほっとしたのか、安堵のため息をついている。
一毬は顔を上げるのと同時に踵を返すと、エレベーターに向かって走り出した。
湊斗が運転手に、このパソコンを一毬に届けるように頼んだのだろうか?
「なんだか、とても嫌な予感がする……」
一毬の身体はカタカタと小刻みに震え出していた。
とにかくパソコンが届いたことを、牧と倉田に知らせなくては。
エレベーターホールに着くと、一毬は震える手でスマートフォンを取り出した。
以前に聞いていた牧の番号をタップする。
しかし電話は呼び出し音が数回鳴って、留守番サービスにつながった。
「佐倉です。すぐ研究室に来てください」
一毬はそうメッセージを残すと、不安で押しつぶされそうな身体を奮い立たせ、研究室へと向かった。