非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
駆けつけた病院で
一毬は面会バッチを握り締めながら、静かな廊下を進んでいた。
病院特有の消毒薬の匂いが鼻をつき、ピッピッという機械音とも相まって、急激に一毬の心を緊張させる。
一旦ナースステーションで声をかけ、案内されるまま左側の廊下を進んだ。
牧から連絡をもらった後、すぐに会場からタクシーに乗った。
――発表会、無事に進んでるかな。
倉田には何も告げずに飛び出してきた。
まだプレス発表会の開催中かも知れず、連絡は入れられない。
倉田が言っていた“溺愛宣言”が何なのか気にはなったが、それでもまずは湊斗の元に行くことが優先だろう。
一毬は教えられた部屋番号と、壁にかかった数字を慎重に見比べながら歩く。
どうも湊斗は個室に入ったようで、しばらくして見つけた部屋はフロアの一番奥まった場所に設置されていた。
「あった。ここだ」
病室の前に着くと、入り口に貼ってある名前がすぐ目につく。
“藤堂湊斗様”と書かれたゴシックの文字を見て、また途端に胸が苦しくなった。
病院特有の消毒薬の匂いが鼻をつき、ピッピッという機械音とも相まって、急激に一毬の心を緊張させる。
一旦ナースステーションで声をかけ、案内されるまま左側の廊下を進んだ。
牧から連絡をもらった後、すぐに会場からタクシーに乗った。
――発表会、無事に進んでるかな。
倉田には何も告げずに飛び出してきた。
まだプレス発表会の開催中かも知れず、連絡は入れられない。
倉田が言っていた“溺愛宣言”が何なのか気にはなったが、それでもまずは湊斗の元に行くことが優先だろう。
一毬は教えられた部屋番号と、壁にかかった数字を慎重に見比べながら歩く。
どうも湊斗は個室に入ったようで、しばらくして見つけた部屋はフロアの一番奥まった場所に設置されていた。
「あった。ここだ」
病室の前に着くと、入り口に貼ってある名前がすぐ目につく。
“藤堂湊斗様”と書かれたゴシックの文字を見て、また途端に胸が苦しくなった。