非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
震える手で一毬がノックしようと片手を上げた時、突然中から場違いな笑い声が漏れ聞こえてきた。
「湊斗さんと、牧さんの声?!」
一毬は驚くとノックも忘れて、勢いよく引き戸の扉をスライドさせる。
ガラガラと音を立てて開いた扉の先にはカーテンがかかっていて、中の様子がすぐには見えない。
一毬がカーテンに手をかけた時、「一毬か?」と低い声が聞こえた。
会いたくてたまらなかった湊斗の声だ。
一毬は「はい」と答えると、そっとカーテンを開いた。
顔を上げると目線の先には、広い個室の窓際のベッドで上半身を起き上がらせ、ほほ笑みながら手を上げる湊斗がいる。
「湊斗さん!」
なぜか一毬は怒ったような声を絞り出すと、ベッドに駆け寄った。
自分でも驚くほど、色んな感情が涙となって次々に溢れ出る。
一毬は湊斗の脇に顔をうずめると、声を詰まらせるように泣きだした。
「なんだ一毬? 怒ってるのか?」
湊斗は眉を下げると小さく笑った後、大きな手で一毬の頭を包むように触れる。
「湊斗さんと、牧さんの声?!」
一毬は驚くとノックも忘れて、勢いよく引き戸の扉をスライドさせる。
ガラガラと音を立てて開いた扉の先にはカーテンがかかっていて、中の様子がすぐには見えない。
一毬がカーテンに手をかけた時、「一毬か?」と低い声が聞こえた。
会いたくてたまらなかった湊斗の声だ。
一毬は「はい」と答えると、そっとカーテンを開いた。
顔を上げると目線の先には、広い個室の窓際のベッドで上半身を起き上がらせ、ほほ笑みながら手を上げる湊斗がいる。
「湊斗さん!」
なぜか一毬は怒ったような声を絞り出すと、ベッドに駆け寄った。
自分でも驚くほど、色んな感情が涙となって次々に溢れ出る。
一毬は湊斗の脇に顔をうずめると、声を詰まらせるように泣きだした。
「なんだ一毬? 怒ってるのか?」
湊斗は眉を下げると小さく笑った後、大きな手で一毬の頭を包むように触れる。