非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
小さな亀裂
「社長、先ほど藤堂会長から連絡があり、本日謝罪に伺うとのことでした」
秘書の声に菱山はじっとりとした目線を上げる。
社長室には菱山と秘書の二人だけがいる。
「ほお。どんな様子でしたかな?」
「ひどく慌てた様子でした」
「ふむ。そうなると、あの発表はやはり、湊斗くんの独断ということですね」
菱山は、年齢には似つかわしくない長身で細身の身体を椅子に沈めると、ゆっくりと目を細める。
「それにしても社長、TODOは随分と動きが遅かったですね。プレス発表会は先週だったというのに」
秘書の声に、菱山は小さく首をひねった。
「社内で揉めたか……? まぁ良いでしょう。ところで圭吾からの連絡は入っていますか?」
「ウイルス騒動の報告以降はまだ。ただ定期的にメールが入るので、今日あたり届くかもしれません」
秘書はタブレットのメールフォルダを、確認しながら顔を上げる。
「それにしても圭吾さんは、立派に成長されましたね。さすが社長の遺伝子を受け継いでおられる」
秘書の声に菱山はじっとりとした目線を上げる。
社長室には菱山と秘書の二人だけがいる。
「ほお。どんな様子でしたかな?」
「ひどく慌てた様子でした」
「ふむ。そうなると、あの発表はやはり、湊斗くんの独断ということですね」
菱山は、年齢には似つかわしくない長身で細身の身体を椅子に沈めると、ゆっくりと目を細める。
「それにしても社長、TODOは随分と動きが遅かったですね。プレス発表会は先週だったというのに」
秘書の声に、菱山は小さく首をひねった。
「社内で揉めたか……? まぁ良いでしょう。ところで圭吾からの連絡は入っていますか?」
「ウイルス騒動の報告以降はまだ。ただ定期的にメールが入るので、今日あたり届くかもしれません」
秘書はタブレットのメールフォルダを、確認しながら顔を上げる。
「それにしても圭吾さんは、立派に成長されましたね。さすが社長の遺伝子を受け継いでおられる」