非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
真実
「牧さん!」
次の日の朝一番、メモ用紙を握り締めた一毬は、ノックもほどほどに社長室に駆け込んだ。
スマートフォンを耳にあてていた牧は、一毬を見た途端、困惑した顔つきのまま手を下ろす。
「社長と連絡が取れないんです。朝から会長に呼び出されているんですが……。今朝、何か言っていましたか?」
一毬は牧の問いかけに、大きく首を横に振る。
一毬が目覚めた時、湊斗の姿はベッドにはなかった。
昨夜、一毬と湊斗の心は重なったと思う。
だからこそ今朝目が覚めたら、湊斗が隣にいてくれるのではないかと思っていたのに……。
湊斗の姿がないことに気がついた一毬は、胸騒ぎがして慌ててリビングに行き、ダイニングテーブルに置いてあった、湊斗のメモを見つけたのだ。
“菱山邸に行ってくる”
一毬は握り締めていたメモ用紙を牧に手渡した。
「どういうことですか?!」
「私にもわかりません。でも、もしかしたら湊斗さんは、自分の想いを直接伝えに行ったのかも知れません」
牧の深いため息が静かに響く。
「もうこれは、社長の戻りを待つしかなさそうですね」
一毬は不安な表情のまま、小さくうなずいた。
次の日の朝一番、メモ用紙を握り締めた一毬は、ノックもほどほどに社長室に駆け込んだ。
スマートフォンを耳にあてていた牧は、一毬を見た途端、困惑した顔つきのまま手を下ろす。
「社長と連絡が取れないんです。朝から会長に呼び出されているんですが……。今朝、何か言っていましたか?」
一毬は牧の問いかけに、大きく首を横に振る。
一毬が目覚めた時、湊斗の姿はベッドにはなかった。
昨夜、一毬と湊斗の心は重なったと思う。
だからこそ今朝目が覚めたら、湊斗が隣にいてくれるのではないかと思っていたのに……。
湊斗の姿がないことに気がついた一毬は、胸騒ぎがして慌ててリビングに行き、ダイニングテーブルに置いてあった、湊斗のメモを見つけたのだ。
“菱山邸に行ってくる”
一毬は握り締めていたメモ用紙を牧に手渡した。
「どういうことですか?!」
「私にもわかりません。でも、もしかしたら湊斗さんは、自分の想いを直接伝えに行ったのかも知れません」
牧の深いため息が静かに響く。
「もうこれは、社長の戻りを待つしかなさそうですね」
一毬は不安な表情のまま、小さくうなずいた。