非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
くすくすと肩を揺らす楠木に、一毬は一気に赤面すると下を向く。
湊斗が結婚相手として一毬を発表したとき、社内は大いに沸いた。
総務部へ、一毬の見学ツアーが組まれるほどの騒ぎようで、一時は業務に支障が出る程だった。
そして当然総務部でも、誰もが驚きを隠せない様子だったが、吉田だけは桁違いだった。
「私の推しに、何してくれてんのよー!」という叫び声から始まり、最後は一毬に抱きつき「本当におめでとう……」とおいおい泣く始末。
「吉田さん、旦那さんいるじゃないですかぁ。佐倉さんが可哀そうですよぉ」
「推しは別腹なのよっ!」
周囲のあきれ顔に目もくれず騒ぐ吉田に、一毬は終始タジタジだった。
それでも最後はみんなに祝福され、一毬は自分が本当に湊斗と結婚するのだと改めて実感したのだ。
総務部の扉の前まで来たとき、楠木が一毬に向き直った。
「TODOはこれからもどんどん成長して大きくなる。社長のこと、一番近くで支えられるのは佐倉さんだけだから。頑張って」
楠木のエールに、一毬は大きな笑顔でうなずき返した。
湊斗が結婚相手として一毬を発表したとき、社内は大いに沸いた。
総務部へ、一毬の見学ツアーが組まれるほどの騒ぎようで、一時は業務に支障が出る程だった。
そして当然総務部でも、誰もが驚きを隠せない様子だったが、吉田だけは桁違いだった。
「私の推しに、何してくれてんのよー!」という叫び声から始まり、最後は一毬に抱きつき「本当におめでとう……」とおいおい泣く始末。
「吉田さん、旦那さんいるじゃないですかぁ。佐倉さんが可哀そうですよぉ」
「推しは別腹なのよっ!」
周囲のあきれ顔に目もくれず騒ぐ吉田に、一毬は終始タジタジだった。
それでも最後はみんなに祝福され、一毬は自分が本当に湊斗と結婚するのだと改めて実感したのだ。
総務部の扉の前まで来たとき、楠木が一毬に向き直った。
「TODOはこれからもどんどん成長して大きくなる。社長のこと、一番近くで支えられるのは佐倉さんだけだから。頑張って」
楠木のエールに、一毬は大きな笑顔でうなずき返した。