非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
エピローグ
一毬と湊斗は会社の前に停められたタクシーに荷物を積み込むと、見送りに出た倉田と牧の元へ一旦戻る。
「湊斗、忘れ物はない? 検査機器本体は向こうに着いたって、さっき連絡があったよ」
「あぁ、助かる。とりあえず本体さえ届いていれば、問題ないだろう」
湊斗は腕時計に目線を向けながら、倉田に返事をした。
「社長、こちらで何かあればすぐに連絡を入れます。あと、船は結構揺れるそうですので、佐倉さんもお気をつけて」
「わ、わかりました」
「あーぁ。俺も行きたかったなぁ」
名残惜しそうに二人を見つめる倉田に、一毬は湊斗と顔を見合わせるとぷっと吹き出した。
あれから時は流れ、TODOの最新の検査機器は今年無事に完成した。
当初の湊斗の願い通り、小型化低価格を実現させた検査機器は瞬く間に話題となり、今も問い合わせが殺到している。
その初号機を導入したいと早々に申し出があったのが、人口300人の島の診療所だった。
本来であれば機器の保守担当部署が納品と説明に行くのだが、今回だけは湊斗が自分で行きたいと言い出し、そこに一毬も同行することになったのだ。
「湊斗、忘れ物はない? 検査機器本体は向こうに着いたって、さっき連絡があったよ」
「あぁ、助かる。とりあえず本体さえ届いていれば、問題ないだろう」
湊斗は腕時計に目線を向けながら、倉田に返事をした。
「社長、こちらで何かあればすぐに連絡を入れます。あと、船は結構揺れるそうですので、佐倉さんもお気をつけて」
「わ、わかりました」
「あーぁ。俺も行きたかったなぁ」
名残惜しそうに二人を見つめる倉田に、一毬は湊斗と顔を見合わせるとぷっと吹き出した。
あれから時は流れ、TODOの最新の検査機器は今年無事に完成した。
当初の湊斗の願い通り、小型化低価格を実現させた検査機器は瞬く間に話題となり、今も問い合わせが殺到している。
その初号機を導入したいと早々に申し出があったのが、人口300人の島の診療所だった。
本来であれば機器の保守担当部署が納品と説明に行くのだが、今回だけは湊斗が自分で行きたいと言い出し、そこに一毬も同行することになったのだ。