非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
~番外編~ 島での出会い ※エピローグの続きのお話です
ボーッという船の汽笛が響き渡る。
太陽が真上近くに昇った頃、船は小さな島の港に到着した。
まとめた荷物を足元に置きながら、デッキに出て船が陸に近づく様子を見ていた一毬は「わぁ」と思わず声を上げる。
港には“ようこそ!”と書かれた横断幕がひらめき、多くの島の住人であろう人々が手を振って船を出迎えていた。
船内アナウンスによると、週に一度の船の到着日には、島の中に無線放送が流れ、みんなで出迎えるというのが習わしらしい。
一毬は湊斗に手を引かれながら、ゆっくりと船を降りる。
丸一日船に揺られていたからか、地上に立ったのに、まだ波に揺られているかのように身体にはゆらゆらとした感覚が残っていた。
「こんにちは。藤堂さんですよね?」
するとすぐに、駆け寄って来た一人の少年から声をかけられた。
「君は?」
「僕は沖村 司です。診療所の宮脇先生に頼まれて迎えに来ました。じいちゃんの車で診療所まで送ります」
司はTシャツ、ハーフパンツにビーチサンダルという、いかにも島の少年っぽい服装で、礼儀正しくお辞儀をすると、湊斗の荷物を持って車の停めてある方へと歩き出す。
太陽が真上近くに昇った頃、船は小さな島の港に到着した。
まとめた荷物を足元に置きながら、デッキに出て船が陸に近づく様子を見ていた一毬は「わぁ」と思わず声を上げる。
港には“ようこそ!”と書かれた横断幕がひらめき、多くの島の住人であろう人々が手を振って船を出迎えていた。
船内アナウンスによると、週に一度の船の到着日には、島の中に無線放送が流れ、みんなで出迎えるというのが習わしらしい。
一毬は湊斗に手を引かれながら、ゆっくりと船を降りる。
丸一日船に揺られていたからか、地上に立ったのに、まだ波に揺られているかのように身体にはゆらゆらとした感覚が残っていた。
「こんにちは。藤堂さんですよね?」
するとすぐに、駆け寄って来た一人の少年から声をかけられた。
「君は?」
「僕は沖村 司です。診療所の宮脇先生に頼まれて迎えに来ました。じいちゃんの車で診療所まで送ります」
司はTシャツ、ハーフパンツにビーチサンダルという、いかにも島の少年っぽい服装で、礼儀正しくお辞儀をすると、湊斗の荷物を持って車の停めてある方へと歩き出す。