非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
牧は淡々とそう言うと、また静かに前を向いた。
「牧さん……ありがとうございます」
一毬は牧の優しさとも取れるその言葉に、少しだけホッとする。
車は、マンションの玄関前で停車した。
一毬はお礼を言って降りると、牧が運転する車が走り去るのを、手を振って見送る。
車が小さくなって見えなくなったのを確認してから、一毬はおもむろに目の前の建物を見上げた。
今朝は湊斗の後を追うのに必死で全く気がつかなかったが、湊斗の会社同様こちらも、最上階は靄がかり肉眼では見ることもできない程の超高層マンションだ。
一毬はごくりと一旦唾を飲み込むと、ロボットのようにぎこちない足取りで中へと入る。
コンシェルジュの横をドギマギしながら通り過ぎ、まるでホテルのように煌びやかなエントランスを抜けると、ふとマンション内にスーパーがある事に気がついた。
湊斗の部屋に食材があるかは、全くわからない。
「牧さん……ありがとうございます」
一毬は牧の優しさとも取れるその言葉に、少しだけホッとする。
車は、マンションの玄関前で停車した。
一毬はお礼を言って降りると、牧が運転する車が走り去るのを、手を振って見送る。
車が小さくなって見えなくなったのを確認してから、一毬はおもむろに目の前の建物を見上げた。
今朝は湊斗の後を追うのに必死で全く気がつかなかったが、湊斗の会社同様こちらも、最上階は靄がかり肉眼では見ることもできない程の超高層マンションだ。
一毬はごくりと一旦唾を飲み込むと、ロボットのようにぎこちない足取りで中へと入る。
コンシェルジュの横をドギマギしながら通り過ぎ、まるでホテルのように煌びやかなエントランスを抜けると、ふとマンション内にスーパーがある事に気がついた。
湊斗の部屋に食材があるかは、全くわからない。