非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
「あれ?」
スマートフォンのアラームの音に、一毬はぱっと飛び起きる。
「やだ、いつの間にか寝ちゃってたんだ」
朝日が差し込み明るくなった辺りを見ると、身体はちゃんとベッドにおさまっていた。
慌てて隣を見るが、当然のようにそこに湊斗の姿はない。
「帰って来てないのかな……?」
一毬は急いでベッドから飛び出すと、パタパタとスリッパを鳴らしながらリビングへと向かう。
リビングの扉を押し開けた途端、一毬は「あっ」と声を出した。
ダイニングテーブルには空っぽになったお皿と、メモ用紙が置いてあるのが見える。
一毬はそっとメモ用紙を取り上げた。
“先に出る。ちゃんと出社するように! 湊斗”
初めて見る湊斗の手書きの文字は、力強さの中にちょっとだけ照れくささを感じるような、そんな優しい文字だった。
「ドーナツ、食べてくれたんだ……」
空っぽのお皿を見て、一毬は何とも言えず顔をほころばせると、メモを大事そうにぎゅっと胸に抱きしめた。
スマートフォンのアラームの音に、一毬はぱっと飛び起きる。
「やだ、いつの間にか寝ちゃってたんだ」
朝日が差し込み明るくなった辺りを見ると、身体はちゃんとベッドにおさまっていた。
慌てて隣を見るが、当然のようにそこに湊斗の姿はない。
「帰って来てないのかな……?」
一毬は急いでベッドから飛び出すと、パタパタとスリッパを鳴らしながらリビングへと向かう。
リビングの扉を押し開けた途端、一毬は「あっ」と声を出した。
ダイニングテーブルには空っぽになったお皿と、メモ用紙が置いてあるのが見える。
一毬はそっとメモ用紙を取り上げた。
“先に出る。ちゃんと出社するように! 湊斗”
初めて見る湊斗の手書きの文字は、力強さの中にちょっとだけ照れくささを感じるような、そんな優しい文字だった。
「ドーナツ、食べてくれたんだ……」
空っぽのお皿を見て、一毬は何とも言えず顔をほころばせると、メモを大事そうにぎゅっと胸に抱きしめた。