非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
ボールの中でたっぷりのバターを練り込ませると、生地は次第に滑らかな黄金色になっていく。
一毬は鼻歌混じりにオーブンを開くと、発酵させるために一旦ボールを中へと入れた。
時間が経ち、次第にもっちりと膨らんで、まん丸のお月様のようになった生地を取り出した一毬は、目の前で視線を感じはっと顔を上げる。
「み、湊斗さん?! いつから見てたんですか?!」
見ると、湊斗はキッチンカウンターに頬杖をつきながら、一毬の顔を見上げている。
一毬は頬を真っ赤にすると、取り出したばかりの生地で顔を隠した。
「あんまり一毬の鼻歌が楽しそうだからさ、ずーっと見てた」
湊斗はにんまりと口元を引き上げる。
「ご、ごめんなさい。お仕事中に、うるさかったですよね。私、夢中になると鼻歌が出ちゃって……」
一毬が遠慮がちに上目づかいで見上げると、湊斗は笑顔で首を横に振りながらキッチンに入ってきた。
「ドーナツ?」
「はい。おやつにどうかなと思って……」
湊斗が一毬の手元をのぞき込む。
一毬は鼻歌混じりにオーブンを開くと、発酵させるために一旦ボールを中へと入れた。
時間が経ち、次第にもっちりと膨らんで、まん丸のお月様のようになった生地を取り出した一毬は、目の前で視線を感じはっと顔を上げる。
「み、湊斗さん?! いつから見てたんですか?!」
見ると、湊斗はキッチンカウンターに頬杖をつきながら、一毬の顔を見上げている。
一毬は頬を真っ赤にすると、取り出したばかりの生地で顔を隠した。
「あんまり一毬の鼻歌が楽しそうだからさ、ずーっと見てた」
湊斗はにんまりと口元を引き上げる。
「ご、ごめんなさい。お仕事中に、うるさかったですよね。私、夢中になると鼻歌が出ちゃって……」
一毬が遠慮がちに上目づかいで見上げると、湊斗は笑顔で首を横に振りながらキッチンに入ってきた。
「ドーナツ?」
「はい。おやつにどうかなと思って……」
湊斗が一毬の手元をのぞき込む。