非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
「佐倉さんのこと、もっと知りたいんだ。君に惹かれてる」
楠木の言葉に、一毬は一気に全身の体温が上昇しだす。
――どういうこと?!
一毬は呆然として、ただ伸びてくる楠木の手を見つめながら立ち尽くしていた。
その時、背の高い人影が目線の端に映り込む。
「一毬?」
急に空気を一変させるような耳になじんだ声が聞こえ、一毬は弾かれたようにその場から離れた。
見ると怪訝な顔をした湊斗が、一毬と楠木を交互に見ながらこちらに近寄ってくる。
「社長、お疲れ様です」
楠木は何事もなかったかのように手を引くと、湊斗に笑顔を向けた。
湊斗はどこから見ていたのだろう。
一毬はたまらずにその場でうつむいた。
楠木はくすっと笑ったようなそぶりを見せ、そしてあからさまな態度で一毬の耳元に唇を寄せる。
「先に戻ってるね。続きはまた今度……」
楠木はそうささやくと、「では、社長失礼します」と頭を下げながら会社の方へと横断歩道を渡って行った。
楠木の言葉に、一毬は一気に全身の体温が上昇しだす。
――どういうこと?!
一毬は呆然として、ただ伸びてくる楠木の手を見つめながら立ち尽くしていた。
その時、背の高い人影が目線の端に映り込む。
「一毬?」
急に空気を一変させるような耳になじんだ声が聞こえ、一毬は弾かれたようにその場から離れた。
見ると怪訝な顔をした湊斗が、一毬と楠木を交互に見ながらこちらに近寄ってくる。
「社長、お疲れ様です」
楠木は何事もなかったかのように手を引くと、湊斗に笑顔を向けた。
湊斗はどこから見ていたのだろう。
一毬はたまらずにその場でうつむいた。
楠木はくすっと笑ったようなそぶりを見せ、そしてあからさまな態度で一毬の耳元に唇を寄せる。
「先に戻ってるね。続きはまた今度……」
楠木はそうささやくと、「では、社長失礼します」と頭を下げながら会社の方へと横断歩道を渡って行った。