非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~
「い、一緒に眠るって。つまり……それって、私の身体を……」

 一毬は顔を真っ赤にすると、それ以上を言葉にするのも(はばか)られ、一気に寝具を頭からかぶった。


 恋人がいたとはいえ、一毬はまだ何も経験していない純真無垢な乙女である。

 借金と引き換えに身体を差し出せと言われても、戸惑うのは当然だ。

 すると男性が、肩を揺らしながら笑う様子が、寝具越しに伝わってきた。


「え?」

 一毬がチラッと顔を覗かせた瞬間、一毬を覆っていた寝具が強引に引きはがされる。

「あのな。誰がお前のその貧相な身体を、寄こせって言ったよ」

 男性はよほど可笑しかったのか、くくくっと笑いながら声を出している。

 一毬は首を傾げながら、ふと自分の身体に視線を落とせば、ブラトップとショーツ姿の自分がいた。


「ぎゃー! なんで下着なんですか?!」

 初めて自分が下着姿だったことに気がつき、一毬は顔から火が出るほど恥ずかしさでいっぱいになる。
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