ワスレナグサ
‐1999年10月

「森村さん、付き合って下さい!」

龍牙は学校行事で知り合った隣のクラスだった、森村 実花に告白をした。

「えっと…、谷川(たにがわ)君には不特定多数の女の子と付き合ってるって噂で聞いたけど…?」

龍牙は高校生当時、いわゆるモテ男で、彼女が途切れた事がなかった。

「全員と別れた!
森村さんを好きになったから」

実花は思わず、あんぐりと口を開けていたが、

「ふふ、変なヤツ!
いいよ、付き合おう!」

やがて笑った。

だけど2人の交際を良く思わない人がいた。

…坂下 理人だ。

「森村さん、なんであんなチャラチャラしたヤツと…」

理人は唇を噛み締めた。
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