スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

「誤解させてすまないが、君だけ贔屓して給与を上げることは出来ない。しかし、私の個人的なコネとポケットマネーで望むものを与えよう。君が私のことをどの程度知っているか分からないが、これでもTAKIZAWAの創業者一族の端くれだ。君の要望を叶えられる範囲は広いと思っている」

 ……なんというご謙遜を。

(ええ、知っていますとも。というか、瀧澤専務のことなら、社内の女性は誰だってあますところなく知っていますから!)

 TAKIZAWAの創業者一族の御曹司で、国内最高学府を優秀な成績で卒業し、企業経営にも精通している。その上、面構えも国宝級!
 女性社員全員から憧れの眼差しを向けられていることを瀧澤本人だけが知らない。
 
「……やります!」

 光莉は二つ返事で了承した。
 唯一の特技であるテニスで誰かの役に立てるのが嬉しかった。
 それに、給与はそのままでも、好きなものをなんでも、というのは魅力的だった。御曹司のポケットはとんでもなく大きそうで、俄然やる気が出てくる。
 光莉はそのままの勢いで尋ねた。
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