スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
注文したものがテーブルに届くと、露希は真っ先に写真を撮り始めた。
光莉が注文したのはヨヨヨ侍の焼き目がついたパンケーキ、露希はヨヨヨ侍とその仲間達のスティックがついたフルーツパフェだ。
どちらも見た目が最高に可愛く、おまけとしてヨヨヨ侍の特製ステッカーがついている。二人はホクホク顔で互いのステッカーの柄を見せ合った。
「ところで、貴女は兄さんとどういう関係なの?」
露希はいちごをフォークで刺しながら、光莉に尋ねた。
「同じ会社で働いているんです。瀧澤専務には接待に必要なテニスの手ほどきを」
「私が聞きたいのはそういう表面的な情報じゃないの」
露希は勿体ぶるように、ソーダ水をすすった。
「兄さんのマンションで私の服を借りて、一体何してたの?まあ、大体想像つくけど」
露希に問い詰められ、光莉は改めて瀧澤との関係について真剣に考えた。
最初はテニスを教える師弟関係だったのに、光莉がねだった報酬のせいで一夜の関係になった。と思ったのも束の間、思いがけない二度目があった。
パンケーキを食べる手をとめ、暫く考えてみたものの適切な言葉がさっぱり見つからない。
「……どういう関係なんでしょう?」
「私に聞かないでよ」
真顔で聞き返すと、露希は呆れるばかりだった。
露希の態度はもっともだった。質問に質問で返すなんて、これではアホ丸出しだ。