スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

「露希とばかり出掛けてずるいじゃないか?」
「瀧澤専務もヨヨヨ侍カフェに行きたかったんですか?」

 瀧澤は光莉の問いかけには答えず、思わせぶりな流し目を送ってよこした。

(もしかして……私と遊びに行きたかったってこと?)

 心のヒダを逆撫でされ、光莉は熟考した。

(もらった鑑賞券は遊佐さんと柳瀬さんに譲ろう)

 そして、露希にはミッションを達成できなかった理由をキチンと話して謝ろう。
 そもそも自分から男性をデートに誘うのはいくらなんでもハードルが高すぎたのだ。相手を探すところから始めないといけないので時間もかかるし、デートをする前に映画の上演期間が先に終わってしまう。

(ん?デート?)

 光莉はおかしなことになっていることに気が付いた。

「どうした?」
「いいえ!なんでもありません!」

(恋人を作ろうとしていたのに、なんで瀧澤専務とデートに行くことになってるの……?)

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