スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
「お願いだ、光莉!俺を助けてくれ!」
「なんで私が……?」
「今更だけど気づいたんだよ。色んな女と付き合ったけど、光莉が一番俺のことを考えていてくれていたってことに」
本当に今更だ。光莉と斗真が別れてから何年経っていると思っているのだ。
「な、頼む!この通りだ!離婚に協力してくれ!」
光莉を呼び出したのは藁にもすがる想いだったのだろう。決死の形相で腕を掴まれそうになり、光莉は咄嗟に身構えた。
「なるほど。君のような男が考えそうなことだ」
バンとテーブルについた腕が、光莉と斗真の間を隔てた。光莉はテーブル腕をついた人物を見上げた。
「瀧澤専務!どうしてここに!?」
「君の様子がおかしかったから気になってあとをつけてきたんだ」
瀧澤は斗真をジロリと睨みつけた。その迫力に斗真は竦み上がった。
「取り合うことはない。人を見た目で判断してきた報いを受けたんだ。帰るぞ」
「え!?あ、ちょっと!」
「光莉!待ってくれ!」
瀧澤に強い力で腕を引かれ、コーヒーショップの外まで連れ出されていく。光莉を引きずる力は緩められることなくそのまま数メートル歩かされてしまう。
「瀧澤専務!離してください!」
「どうして?」
「あのまま斗真を放っては置けません!」
「君はまた……。あの男に未練があるとでも言うのか?」
未練などあるはずがない。だって斗真を前にしても心がちっとも動かなかった。むしろ、今光莉の心を揺らしているのは……。
ううん、今は余計なことを考えている時間はない。