スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
「わ、私は別にそういうんじゃ……!」
まるで、瀧澤が光莉のもののような言い方だ。どちらかと言えば逆の方が正しいような気もするけれど……。
モゴモゴと口籠る光莉に仲良し同期コンビは互いに目配せを送りあった。
「おうおう、朝人さん。この反応……実は……?」
「おうともよ、小雪どん」
二人は悪代官のよう顔を見合わせて、ウシシと笑った。普段は互いにケンカばかりしているのに、こんな時だけ息がぴったりになるのだろう。
「や、やめてくださいー!そういうやつじゃないんです!」
いじられる気配を察した光莉は慌てて、二人の小芝居をやめさせようとひとり奮闘した。
「小雪どんよお、オイラは出水ちゃんのメイクが変わったのは瀧澤さんのせいじゃないかと踏んどるんじゃけえのお!」
「なあーにい!そいつはちょいと聞き捨てならねえなあ!」
面白半分にべらんめい口調で揶揄われ、光莉は首まで真っ赤になった。
「いい加減にしてください!」