スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

「何か勘違いしてらっしゃいますが、メイクを変えたのはたまたまです!買い物してた時に店員さんにすすめられて……」

 遊佐はははっと高らかに笑った。

「はい、ダウト。俺は上海土産がコスメだなんてひと言も言ってませーん。あと、瀧澤さんが買ったルージュはまだ日本では売ってませーん」

 ここが職場だということを忘れて、顔を覆いたくなった。かまをかけられ、墓穴を掘った。ホント、バカ。
 闇雲に隠そうとしては、逆にやましいことがあると宣伝しているようなものだ。
 
「出水ちゃんって、本当は瀧澤さんとどんな関係なの?」

 どんな関係なのかと尋ねられ、光莉は言葉に詰まった。光莉が瀧澤と他人には言えない関係であることは、誰にも明かせない。瀧澤の評判を落とすわけにはいかないのだ。

「答えられないなら答えなくていいよ。大丈夫、誰にも言わないからさ」

 深刻そうに俯く光莉を見て、遊佐は訳ありなのを察してくれた。

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