スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
遊佐の人望や瀧澤からの勅命ということもあり、光莉、遊佐を含め総勢七名が集まった。二台に分かれて車に乗り、比呂人のアトリエへと向かう。
瀧澤が何をしようとしているのか、光莉にはさっぱりわからなかった。
アトリエに到着すると、瀧澤は挨拶もそこそこに比呂人に尋ねた。
「準備できてますか?」
「一応出来てるけど……。本当にやるつもり?」
「はい」
瀧澤は比呂人とともに建てつけの悪い倉庫の扉を開けていった。そこにはいくつものテーブルと椅子が乱雑に置かれていた。
「今からTAKIZAWAが過去に販売したテーブルセットを片っ端から修理する」
あちこちから「え?」と、戸惑いの声が上がっていく。
「この倉庫にあるものは、客先から引き取った不要品だ。状態の良いものは修理して中古品として売り出す予定で収集していた」
「色も形もバラバラですよ?どう見たって足りませんよ」
遊佐が挙手して、問題点を挙げた。集められたインテリアは売られていた年代もトレンドのデザインも異なる。どれも必要するには足りない。
「……コンセプトそのものを変える」
瀧澤は途方もない青写真を描いていた。