スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
レッスン2.猛特訓のスタート!


「うわあ……!いい天気!」

 瀧澤とのテニス練習の初日がやってきた。
 早起きした光莉は窓の外のお日様を見て、思わず微笑んだ。
 まだ四月中旬ということもあり、朝のうちはウェア一枚だけでは肌寒いが、太陽が上りきる頃にはちょうどよくなりそうだ。

(最高のテニス日和!)

 薄曇りではっきりしない空模様が何日も続いた後の待望の晴れの日とあって、光莉はウキウキしながら身支度を始めた。
 
「よし、行くか!」

 手入れを済ませたテニスバッグを背負うと、遅刻しないように早めにアパートを出発する。
 瀧澤との待ち合わせ場所は山の手線の某駅。
 この辺りは文教地区ということもあり大学や学術施設も多いが、大通りから少し離れれば閑静な住宅街が広がっている。
 土曜の朝の九時ということもあり、駅前広場は閑散としていた。

(瀧澤専務はもう来ているのかな……?)

 指定された出口のロータリーで待っていると、ピカピカの高級セダンが真後ろに停車した。
 助手席の窓が開き、運転席から瀧澤が身を乗り出すようにして顔を覗かせる。
 
「出水さん、おはよう」
「おはようございます、瀧澤専務」

 光莉はテニスバッグを後部座席に乗せると、助手席に身体を滑り込ませ、シートベルトを締めた。
 光莉を乗せると車はまもなく発進した。

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