スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

「『ショコラ』も捨てがたいですね!」
「『ショコラ』はダメだ。売り上げがいまいちで二年足らずで廃盤になってしまったからな。息が長いシリーズのほうが縁起もいい」
「えー!私、結構ショコラシリーズ好きなのに……」
 
 光莉お気に入りの『ショコラ』シリーズが不採用になり、思わず不満を口にする。

「『ショコラ』がダメなら、『ハレノヒ』ならどうです?」
「いいな。採用だ」
「やったー!」
 
 『ハレノヒ』は『トルテ』と同様、息の長いダイニングテーブルセットシリーズだ。他にもいくつか良さそうなシリーズ名を挙げると、次々と採用されていく。
 奈緒は終始ニマニマと瀧澤と光莉のやり取りを眺めていた。
 五種類のサインと、二種類のダミーも決まると、練習が再開される。
 奈緒は当初の予定を大幅に超え、日没ギリギリまで練習に付き合ってくれた。
 そのおかげでなんとか実践に耐えうる形まで持っていくことができた。

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