スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
レッスン3.甘い手ほどき
六月上旬になり梅雨入りが発表された途端に雨の日ばかりが続くようになった。
一時は決行が危ぶまれたがなんとか天気が持ち直し、とうとう接待テニスの当日がやって来た。
二人はこの日、郊外にあるサンライズホテルグループの現会長の自宅に招かれた。
練習に使わせてもらっていた槙島家の屋敷も広かったが、会長の邸宅も同じかそれ以上に大きかった。
大方の予想通り、この邸宅にもテニスコートが標準搭載されていて、光莉は自分の常識がもはや常識ではないということを改めて実感した。
「瀧澤くん!よく来たね。良いテニス日和だ。今日はよろしく頼むよ」
「安西会長の胸を借りるつもりで参りました。お手柔らかにお願いします」
瀧澤と会長は互いに握手をした。
サンライズホテルの会長ご夫婦は、二人とも中肉中背で、長年のテニス焼けで浅黒い肌をしていた。
加齢により腹が出ていることもなく、足も腕もほどよく引き締まっている。歴戦の猛者の風合いだ。
ウェアに着替えテニスコートに案内されると、士気が高まる。
(よし!気合を入れるぞ!)
シューズの紐を結び直し、パンパンと両頬を叩く。
軽くストレッチをしたら、準備完了!