スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

「あら?TAKIZAWAさんって子供向けの家具も作っているの?知らなかったわ。じゃあ、学習机もあるかしら?孫が来年小学生になるんだけど、なかなかこれっていうのが見つからなくて。女の子なんだけど……」
「それならぴったりの学習机がございますよ!」

 あると威勢よく返事はしたものの、今日は商品を見せるためのカタログも、商品データが入ったパソコンも持っていないことに後になって気がつく。

「出水くん」

 おろおろと困っていると瀧澤からタブレットを差し出された。
 タブレットの中にはカタログのPDFデータが綺麗に整理された状態で格納されていた。

 瀧澤はもともと安西会長と上海の新ホテルの件について交渉を進める腹づもりでいた。どんな質問でも答えられるように準備は万端だったのだろう。おかげで助かった。

 光莉は目当てのカタログのPDFを開いた。
 タブレットに『トルテ』シリーズの学習机が映し出されると、安西夫人は驚きで目を丸くした。

「あら、可愛い!」
「『トルテ』シリーズの学習机はスイーツをモチーフにしているんです」

 ショートケーキ、マカロン、チョコミントのアイスクリーム。
 学習机とは思えぬカラフルな色合いは、遊び心に溢れている。

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