スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
「実際に見て頂くと、もっと可愛さがわかると思います。新人時代にショールームで働いていた時は、この学習机を見ただけで食欲が刺激されちゃって困っちゃいました!この引き出しのイチゴの取っ手なんてイチゴ飴みたいで本当によく出来てるんです!こちらのチョコレートの艶感なんてたまりませんよね!」
トルテシリーズの学習机は光莉自身も、子供だったら欲しがっただろうと思う代物だ。自信を持って勧めることができる。
光莉はこの学習机がいかに素晴らしいか、たっぷりと熱弁を振るった。
ハッと我に返った時にはもう遅かった。
安西夫人はすっかり光莉に圧倒され、口をポカーンと開けていた。
「す、すみません!」
ところ構わず喋り過ぎたと反省した次の瞬間、安西夫人はホホホと小気味良く笑い出した。
「そうね。そんなに素晴らしい学習机なら、あの子も気に入るかもしれないわね!一度伺ってみようかしら。ねえ、面白そうだしあなたも一緒に行ってみない?」
安西夫人は夫である安西会長にも声を掛けた。
「うーん……そうだな。瀧澤くん、ショールームに招待してもらえるか?」
「承知致しました。すぐに確認致します」
瀧澤はすぐさま近隣のショールームに電話を入れ、その場で会長夫妻ご訪問の段取りをつけてしまった。