スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

 新郎新婦が音楽と共に入場し、スクリーン脇のチェアに腰掛ける。

 夫婦の馴れ初めを紹介するスライドショーや余興を光莉は他人事のように見ていた。目に見えない薄いベールのようなものが下りていて、感情をシャットダウンするのを助けてくれる。

(なんかなあ……)

 光莉は二次会にノコノコやって来たことを後悔し始めていた。
 ひと通りの催しが終わると、お決まりの写真撮影タイムが始まっていく。
 その時、光莉はこの日初めて斗真を真正面から見据えた。幸せそうな笑顔に胸焼けがした。

「おめでとう」
「ありがと。光莉も早く良い相手を見つけろよ!」

 結婚相手は職場で知り合ったという可愛らしい女性だった。風が吹けば倒れてしまいそうなほどに華奢な身体つき、それでいて女性らしい丸みのあるシルエット。

 ……光莉とは真逆だった。

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