スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
(もう……。どれだけ上から目線なのよ……)
二次会が終わると、光莉は空を仰ぎ見ながらひとりで帰宅の途についた。
奈緒とは会場で早々に別れた。なんだか今日はひとりでいたい気分だった。
……斗真はいわゆる初めての男というやつだ。
斗真はバレー部のエースであり、精悍な顔立ちとパワフルなプレーが学内外問わず人気があった。
そんな彼に「付き合う?」と打診された光莉は有頂天で交際を了承した。
しかし、ふたりで初めて夜を過ごした日、事後に斗真が言ったセリフは呪いのように光莉を縛りつけた。
『やっぱ光莉のこと女として見れないな。身体も男みたいだし、全然そそられねーよ』
それからだんだんと連絡が疎遠になり、最後は自然消滅。光莉はさよならすら言ってもらえなかった。
斗真はその後、近隣の女子大の学生と付き合い始めた。光莉とは正反対の華奢で小柄な可愛らしい女性だった。
光莉は奈緒にだけ何があったかをこっそり打ち明け、すべてを忘れるようにテニスに打ち込んだ。